古本LOGOS は、現在準備中です。

2022/11/14 10:38

2010年の8月の金沢、11月の珠洲での「一箱古本市」に参加したのが全ての始まりだった。なんだか知らないけどその頃「一箱古本市」が各地で行われていた。ブームだった。ナンダロウアヤシゲさんは金沢まではやってきた。奥能登へは、各地の一箱古本市を卒論の研究テーマにしているという大学生が、各地のデータをもってわざわざやってきた。まだ芸術祭だとか、地域おこし協力なんてことに行政が力を入れだすちょっと前だ。
今では「一箱古本市」はいろいろな方向に派生して、「マーケット」や「マルシェ」や「移動古書店」や店舗をもって本格的な古本カフェなどを始めたりやめたり芸術家になったり、もちろんあくまで「一箱」の「古本市」をやっている地域・グループもあるだろう。でも10年たてば人も変わる、社会も変わる、ブームも変わる。。。
それでも珠洲には「一箱古本市」から派生した「くるくるマーケット」を企画しているNさんという人がいて、昨日はそのイベントが、これまた6,7年続いている「無農薬野菜市ゑゝ市」と共催で開催された。ゑゝ市だけだとちょっと足を運びにくい(無農薬野菜って高いんでしょ? 何か買わないと出ていけないでしょ?的な)人たちも「フリマ」的であれば来てくれたりする。個人の見解というものを強く主張すると浮いてしまいやすい奥能登の中に、これだけ個性的な人たちが継続して一つのイベントを続けているのはそれだけですごいことなような気がする。
LOGOSは最近、(無農薬野菜も作っていないのに)ゑゝ市に参加させてもらっていて、近いから、10時開始のイベントなのに9時過ぎに出てもちゃんと準備ができる、ガソリン代かからない、気楽に行ける(自分の癒し?)ということでよい息抜きをさせてもらっている。前回は栗(10月)、今回はミカン(11月)、どちらも何も手入れをしないのになったということで「無農薬」と解釈して参加した。そしてまっさきに売れるのはもちろんそのような商品であった。「野菜市」なのだから当たり前か。
本の値段つけも棚(箱)の見直しもしないまま、前のイベントの売れ残りに少しだけ新しい商品を入れて参加しているのだから、もちろんそんなに本が飛ぶように売れるわけではない。値段も相対的に安くしてしまう(少しでも減らしたい)、でも昨日は、最後のほうになってやってきたお客さんが「これ、どうしようかな、新刊で買ったしこの作家の作品は好きだし、このテーマも興味あるけど、今の私にはもういいかな、この値段でも欲しいと言ってくれる人になら売ろう」と思っていた本が売れた。これは嬉しい出来事であった。
6月の地震で、本がたくさん行き場を失い、売るか残すか、そうしないと私の生活は改善できないし、自分自身もどのような形で「古本屋」を名乗るのか名乗らないのか、店を持つ意味、自分のキャパ、加齢による体力全般の低下など課題は山積みである。でも、目の前で本が求められて売れていくという快感は、その後の在庫を大量に車に積む行為を引いても、喜びの方が勝ることなのである。心を開いてもう少し「本のある場所」の模索を続けていく価値はあるのかもしれない。(写真は、昨年の二三味カフェ前での「無人一冊100円文庫ヒトハコ」の様子です。今年もやらせてもらっております。月・火休みです(カフェは)。雨が続いたらそろそろ終了です。)